私の小さな発見ログ

「資料作成」で見つけた、相手に「伝わる」構成の小さな発見

Tags: 資料作成, プレゼンテーション, コミュニケーション, 構成, ビジネススキル

日々の「資料作成」に潜む、伝わりにくさの正体

日々の業務で、資料作成は避けて通れない作業の一つです。営業資料、社内報告書、企画書など、様々な目的で資料を作成し、相手に何かを伝え、行動を促すことを目指しています。しかし、「一生懸命作ったのに、どうも意図が伝わらない」「相手の反応が薄い」と感じることはないでしょうか。

私自身、経験を重ねる中で、資料作成には単に情報を盛り込むだけでは不十分だと気づきました。特に、忙しいビジネスパーソンにとって、資料は「読むもの」ではなく「理解するもの」「判断するもの」であるべきだと考えるようになりました。この視点を持つことで、資料の「構成」に対する小さな発見がいくつもありました。

「伝わらない資料」から見えた小さな共通点

伝わりにくい資料には、いくつかの共通点があることに気づきました。

一つ目は、「事実の羅列」になっていることです。データや情報を網羅することは大切ですが、それらが単に並べられているだけでは、読み手は何が重要なのか、何を読み取れば良いのかを判断しにくくなります。まるで、図書館の本のリストだけを見せられているような状態です。

二つ目は、「相手の立場」が十分に考慮されていないことです。資料作成者はそのテーマについて詳しいことが多いですが、読み手は必ずしもそうではありません。読み手が何を知りたいのか、何に疑問を持つ可能性があるのかを想像せずに作られた資料は、一人よがりな説明になりがちです。

三つ目は、「一番伝えたいメッセージ」が明確でないか、ページの奥深くに埋もれてしまっていることです。特に報告書などでは、経緯や詳細を先に書いてしまい、結論や提案が最後にちょこっと出てくる、といったケースを見かけます。これでは、忙しい読み手は最後までたどり着く前に、資料を読むのをやめてしまうかもしれません。

これらの経験から、「情報を詰め込むこと」と「情報を伝えること」は全く別物である、という小さな、しかし重要な気づきを得ました。

「伝わる構成」を作るための小さなヒント

では、どうすれば「伝わる資料」にできるのでしょうか。いくつか試してみて効果を感じた「小さなヒント」をご紹介します。

1. 資料作成前の「問い」を明確にする

資料作成に取り掛かる前に、まず自分自身に問いかけます。

この3つの問い、特に最後の「読み手にどうなって欲しいか」を明確にすることで、資料の構成や内容、言葉遣いが大きく変わってきます。単なる報告ではなく、「読み手を動かす」ための資料という意識に変わるのです。これは資料作成における最も小さな、しかし最もパワフルな発見でした。

2. 結論ファーストを徹底する小さな習慣

資料の冒頭、あるいは各セクションの最初に、最も伝えたい結論や要約を持ってくる習慣をつけました。例えば、報告書であれば「結論として、〇〇の施策により△△の効果が見られました。詳細は以下に続きます」といった形です。企画書であれば、「この企画のポイントは〇〇です」と最初に提示します。

これにより、読み手はすぐに資料の全体像や最も重要なポイントを把握できます。たとえ忙しくて全てを読み込めなくても、重要な情報だけは確実に伝えることができます。これは、議事録で「結論」を先に書くのが分かりやすいのと似ています。

3. スライド1枚に1メッセージ

プレゼン資料を作成する際によく言われることですが、報告書や企画書などの静的な資料でも有効だと感じています。一つのスライドやページに、複数のテーマやメッセージを詰め込みすぎないように意識します。

これにより、各ページで何を伝えたいかが明確になり、読み手が情報を整理しやすくなります。また、資料作成側も、各ページで本当に必要な情報だけを厳選する訓練になります。最初は「情報が収まりきらない」と感じるかもしれませんが、本当に必要な情報だけをシンプルに構成する良い練習になります。

4. ストーリーテリングの視点を取り入れる

単に情報を並べるのではなく、読み手が納得しやすい「ストーリー」の流れを意識します。例えば、「現状の課題→課題の原因→課題を解決する提案→提案による効果」といった流れです。なぜこの資料があるのか、なぜこの提案に至ったのか、そして読み手にとってどんな意味があるのか、といった文脈を示すことで、情報はより深く理解され、記憶に残りやすくなります。特に営業資料や企画書で効果を発揮します。

まとめ:小さな意識が「伝わる」資料を生む

資料作成は、慣れてくるとルーティンになりがちですが、少し立ち止まって「誰に、何を、どうなって欲しいか」を考えるという小さな問いかけが、資料の構成を大きく改善する第一歩になります。結論ファースト、1枚1メッセージ、ストーリーテリングといった小さな工夫は、どれもすぐに実践できるものです。

これらの「小さな発見」を日々の資料作成に取り入れることで、資料が単なる報告ツールから、相手を動かすためのコミュニケーションツールへと変わっていくことを実感しています。ぜひ、あなたの次の資料作成で、これらの視点を試してみてはいかがでしょうか。