社内の小さな交流から得た、意外なビジネスチャンスの芽
日々の業務で見落としがちな「社内の宝」
私たちは日々の業務に追われ、目の前のタスクに集中しています。特に自分の部署やチームの仕事範囲が明確であればあるほど、他の部署で何が行われているのか、どのような考え方があるのかを知る機会は少なくなりがちです。しかし、時にはこの「普段接しない領域」に、自身の業務を大きく前進させるヒントや、思いがけないビジネスチャンスの芽が隠されていることがあります。
これは、私自身が経験した小さな発見です。ある日、休憩中にたまたま別の部署のメンバーと雑談をしていた際、彼らが抱えている課題や、私たちが普段関わらない顧客層について話を聞く機会がありました。その話の中から、私が担当している領域では全く想定していなかった顧客ニーズの存在に気づかされたのです。
異なる視点が開く可能性
なぜ、このような「小さな発見」が他部署との交流から生まれるのでしょうか。その理由はいくつか考えられます。
まず、私たちはそれぞれの部署で異なる視点や専門性を持っています。営業職であれば顧客の最前線の声を知っていますし、開発職であれば技術的な深い知見を持っています。企画職は市場全体の動向や将来のビジョンを描き、サポート部門は顧客が実際に製品やサービスで困っている具体的な問題を把握しています。これらの異なる視点が組み合わさることで、自身の業務だけでは見えなかった全体像や、新たな課題の発見に繋がることがあります。
次に、日常業務から一歩離れたリラックスした状況での会話は、公式な会議では出てこないような本音や、まだ形になっていないアイデアが生まれやすい環境です。形式ばらない交流だからこそ、予期せぬインサイトが得られることがあります。
小さな交流を意識してみる
では、どのようにしてこれらの「小さな発見」を拾い上げることができるでしょうか。特別な時間を設ける必要はありません。まずは、日々の小さな交流を少しだけ意識してみることが大切です。
- 休憩時間やランチタイム:部署を超えたエリアで休憩をとる、誘い合わせてランチに行くなど、偶然の出会いを増やしてみる。
- 社内イベントや勉強会:自身の業務と直接関係がなくても、興味を持ったテーマのイベントに参加してみる。
- 気軽に声をかける:オフィスですれ違った際や、共有スペースで一緒になった際に、簡単な挨拶に加えて一言二言言葉を交わしてみる。
これらの小さな交流の中で、「最近どんな仕事してるの」「何か困っていることある?」といった軽い問いかけから、思わぬヒントが得られることがあります。例えば、ある開発メンバーの「実は、〇〇の機能についてユーザーからこんな要望が多くて困っているんだ」という一言が、営業として新しい切り口での提案や、顧客へのヒアリングポイントの見直しに繋がるかもしれません。また、サポート部門の「〇〇についてよく問い合わせが来る」という情報から、自社製品の改善点や、顧客への事前周知が必要な点に気づくこともあります。
得られたヒントを記録する習慣
こうした小さな交流で得られた気づきやヒントは、その場で終わらせず、後から見返せるように記録しておくことが推奨されます。スマートフォンやPCのメモアプリ、デジタルノートなど、普段利用しているツールを活用し、「誰から、いつ、どんな話を聞いて、何に気づいたか」を簡単にメモしておくだけでも、後々のアイデア整理や業務改善の際に役立ちます。
すぐに直接的な成果に繋がらない情報でも、頭の片隅に置いておくことで、別の情報と結びついて新しいアイデアが生まれたり、将来的なビジネスチャンスの「芽」となる可能性があります。
まとめ
日々の忙しさの中で、自身の業務範囲外に目を向けることは難しいかもしれません。しかし、社内には多様な経験と知識を持つ人々がいます。部署を超えた小さな交流は、私たちの視野を広げ、思いがけない発見やビジネスのヒントをもたらしてくれます。
特別な準備は不要です。まずは、少しだけ周りに意識を向け、普段話さない人と軽い言葉を交わしてみることから始めてみてはいかがでしょうか。その小さな一歩が、日々の業務に新しい光を当て、「私の小さな発見ログ」に書き加えたくなるような気づきに繋がるかもしれません。