私の小さな発見ログ

「いつもの視点」から外れて見つけた、新しい気づきの小さなログ

Tags: 視点の転換, 気づき, アイデア創出, 思考法

日々の業務に追われていると、どうしても「いつものやり方」「いつもの考え方」に固執しがちではないでしょうか。効率を求めるあまり、無意識のうちに視野が狭くなってしまうことは、多くのビジネスパーソンが経験することかもしれません。しかし、新しいアイデアや、問題解決の糸口、あるいは思いがけないチャンスの芽は、「いつもの視点」の外にあることも少なくありません。

この記事では、意図的に「いつもの視点」から離れてみることで見つかった、小さな気づきや発見についてご紹介します。難しいことではなく、ほんの少しの意識や行動の変化が、日々の業務をより豊かにする可能性がある、という視点です。

なぜ「いつもの視点」から離れてみるのか

私たちは経験を積むほどに、効率的で最適だと感じる方法を確立していきます。これは素晴らしいことですが、同時に新しい情報や異なるアプローチに対する感度を鈍らせてしまう側面もあります。

例えば、長年同じ業界で働いていると、業界特有の常識や慣習に疑問を持たなくなることがあります。しかし、別の業界の視点から見れば、その常識が非効率だったり、新しい技術で代替できたりする可能性があります。

また、日常の業務フローにおいても、無駄はないか、もっと良い方法はないか、という問いは、「いつもの視点」の中にいる限り生まれにくいものです。意図的に視点を変えることで、見慣れた景色の中に隠れていた「改善の種」が見つかることがあります。

「いつもの視点」から外れるための小さな試み

では、具体的にどのようにして「いつもの視点」から外れることができるでしょうか。いくつか、私が個人的に試してみて小さな発見があった方法をご紹介します。

情報の摂取源を変えてみる

普段読んでいるニュースサイトや業界誌だけでなく、全く関係のない分野の本を手に取ってみる、あるいは異業種のニュース記事を読んでみる、という簡単なことから始められます。

例えば、私は以前、IT業界のニュースばかり追っていましたが、たまたま手に取ったデザイン関連の雑誌から、情報整理の方法に関するユニークな視点を得ることができました。それは、デザインのレイアウトにおける「余白の重要性」という考え方でした。これを自分の資料作成に応用してみたところ、以前よりも伝えたいポイントが明確になり、相手に理解してもらいやすくなった、という小さな発見がありました。

また、普段聞かないジャンルのPodcastや、ビジネスとは関係ない教養系のYouTubeチャンネルをBGMのように流していると、思わぬキーワードや考え方が頭に入ってきて、それが後になって業務上のアイデアと結びつくこともあります。

いつもと違う場所に行ってみる

働く場所や休憩する場所を少し変えてみることも、気分転換だけでなく視点の変化につながります。カフェやコワーキングスペースだけでなく、天気の良い日に公園で少し作業してみたり、普段通らない道を歩いてみたりするのも良いでしょう。

ある時、私は企画に行き詰まった際、休憩時間にたまたま立ち寄った美術館で、一枚の抽象画に強く惹きつけられました。その絵は、全く異なる色や形が無造作に配置されているように見えましたが、全体のバランスが不思議と調和していました。これを見て、「異なる要素を無理に統合しようとせず、そのまま並べてみることで、意外な発見があるかもしれない」という考えに至り、企画の構成を大きく変えるヒントになりました。

普段話さない人と交流してみる

社内の別部署の人や、社外の友人、家族など、普段業務で直接関わらない人と、仕事の話をしてみるのも有効です。自分の業務内容を全く知らない人に説明することで、自分自身の中で曖昧だった部分に気づいたり、相手からの素朴な疑問が、課題の発見につながったりすることがあります。

以前、全く畑違いの仕事をしている友人に、自分の抱えている顧客課題について話したところ、「それって、こういうことと似てるんじゃない?」と、彼の分野での事例を話してくれました。その事例は、私の業務とは全く異なる文脈のものでしたが、そこに共通する「課題の本質」のようなものが見え、解決へのアプローチを考える上で大きなヒントになりました。

見つけた「気づき」をどう活かすか

「いつもの視点」から外れて得られた小さな気づきや発見は、そのままにしておくとすぐに忘れてしまいます。それを業務に活かすためには、記録に残し、意識的に関連付けて考えてみることが大切です。

デジタルノートでも、紙のメモ帳でも構いません。「〇〇を見て、△△だと思った」「□□さんの話を聞いて、こういう可能性もあるのかと感じた」といったように、「何を見て(聞いて)、どう感じたか」を具体的に記録しておきます。

そして、定期的にそのメモを見返し、今抱えている業務課題やプロジェクトと結びつけられないか考えてみます。「この気づきは、この資料作成に使えるか」「この視点は、あの顧客への提案に応用できないか」といった問いを自分に投げかけてみましょう。

まとめ

「いつもの視点」から外れることは、大げさな挑戦である必要はありません。通勤ルートを少し変えてみる、普段読まないジャンルの記事に目を通してみる、といった小さな行動から始めることができます。

そうして得られた些細な気づきや発見も、記録し、意識的に業務と結びつけようとすることで、思わぬところで役立ったり、新しいアイデアの種になったりします。日々のマンネリを打破し、業務に新鮮な視点を取り入れるために、ぜひ「いつもの視点」から一歩踏み出してみてはいかがでしょうか。その小さな一歩が、あなたの「発見ログ」を豊かにし、次のチャンスに繋がるかもしれません。